渡邊織物は戦後間もなくの創業で、当時はジャカード織機で帯や服地、緞子や傘マフラーなどを手掛けていました。以前はジャカード織機やシャットル織機を備え、様々な物を作ってきましたが、専門性を高めるために３０年ほど前に裏地に特化しました。２代目は若くして父を亡くし２０代から一人で工場を支えてきたため、なんでも織ることができ、織機を直すこともできるのだとか！織機のメンテナンスのレベルが高いので、産地で最も傷の少ない生地を織ることができる工場の一つです。常に工場にいて織面をチェックし、２４時間操業で短い納期、また納期をしっかり守ることを心掛けているそうです。
現在は、建築、写真、アートを創作の背景にもつ3代目渡邊竜康さんのオリジナル企画デザインで、自社生地の販売を本格的に始めています。自然由来の肌にも環境にも優しい繊維キュプラを軸に、多種多様なテクスチャーの生地を開発。自身が好んで身をおく富士北麓の豊かな自然から無意識に受け取った感覚から生まれる、プレーンだけど質感のある生地を多く制作しています。OEM産地としての生地づくりだけではなく、直接アパレルなどのデザイナーさんとのコミュニケーションや交流を大切にし、小ロットや別注色、アレンジの相談にも乗りながら生地やプロダクトを作り上げていきます。服地やバッグ、カーテン、寝具、インスタレーションにいたるまで、テキスタイルにまつわるフィールドを広げているテキスタイルメゾンです。